(内藤加奈子、明日香出版社、2012年)
「売れる販売員 vs. ダメ販売員」を対比させることで、販売のエッセンスを伝える本。直接役に立つものもあれば、間接的に役に立つ部分もあると思います。
いくつか、面白いものをピックアップしてご紹介しますね。
それぞれの立場で、役に立つ考え方を見つけてみて下さい。
【売れる販売員はお客様を否定し、ダメ販売員はお客様に合わせる】
お客様のご要望を叶えるために…
お客様に喜んでいただくために…
お客様が欲しいと言えばその商品のよさを語り、サイズが少し合わなくても気に入っているのならアリかな、と、お客様の「欲しい」に折れてしまう「やさしい」販売員さんもいます。
でも、本当の「やさしさ」とは? 必要な時には、お客様のご意向も否定する。
否定するから、お客様は満足のいく買い物ができる。否定するから、お客様に信頼される。→繰り返しご来店いただける。
【売れる販売員はお客様を帰らせ、ダメ販売員は必死で引き止める】
売れる販売員は、お客様が購入を迷ったら、帰っていただくのです。
「迷っておられるのでしたら、一度お茶でもされてちょっと休憩をはさんでみては? それでも欲しかったら間違いないかもしれませんね」と言って、一度帰っていただくのです。
お客様が納得していい買い物をすることを手助けしようとしていることが伝わって、それが信頼感につながります。
そして戻ってこられたときは、ほとんどの場合、笑顔です。いいものを選べたことに「ありがとう」と感謝してくださいます。
【売れる販売員は遅刻してでも化粧、ダメ販売員は電車で化粧】
寝坊して、いつも出かける時間に目を覚ましてしまいました。さて、メイクはどうしますか?
…正解は、「遅刻してでも仕上げて出かける」です。なぜなら、私たちの見た目は「商品」だからです。
お客様に見ていただくためにベストな状態になっていないものをお店に出すことはありえないのです。
通勤電車で人目もはばからずに化粧をするなんて、…そんな恥ずかしいことができる販売員さんに、お店で本物のパフォーマンスができるでしょうか。
もちろん遅刻がOKと言うわけではありません。プロとして遅刻は失格です。ただ、ノーメイクで出勤するよりはマシだというだけです。
【売れる販売員はお店の外でもお客様とおつきあいをし、ダメ販売員は勤務時間外には働かない】
頻繁に食事に行ったりお茶を飲んだりしなさい、と言っているのではありません。お店の外での交流の仕方がありますね、という話です。
例えば、旅先から絵葉書を送るという方法があります。ちょっとしたメッセージを添えて。
また、接客の中で話題になった商品で、でも自店では扱ってなくてお勧めできなかった商品を、休みの日などに他店で見つけて、その情報をお伝えする、というのも喜ばれます。
旅先や休みの日といった私的な時間に、お客様のことを思った活動をする。あなたのことを大切に思っていますよ、という気持ちを伝えることができるのです。
【その他】
ほかにも、こんなのもあります。
「売れる販売員はトイレ掃除が好き、ダメ販売員は掃除が嫌い」
「売れる販売員はお金がない、ダメ本場委員は貯金が好き」
「売れる販売員は小走り、ダメ販売員はマイペース」
「売れる販売員はあまりしゃべらない、ダメ販売員は一生懸命しゃべる」
「売れる販売員は休日にサービスを受けながら学び、ダメ販売員は休日は仕事のことを忘れる」
などなど…。
ご興味のある方は、実際の本を手に取ってみて下さい。
〔スタッフ:松下〕